こんにちは!バンカーズリアル管理人のsatomiyaです。
私は元々銀行員をしていました。
銀行には様々なノルマがありますが、その内の大きなウェイトを占めるものが融資です。
今回は融資のノルマとはどういったものなのかについてお話していきます。
私の周りには政府系や地銀などの友人もいます。
その時のことも含めて他の銀行は実際どうなのかについてお伝えします。
融資のノルマ、目標とは?
このページを見ている方はほとんどが銀行の方だと思うので、今更説明するまでもないと思うんですが、融資の目標は平均残高(平残)と月末残高(末残)の2つがあります。
ほとんどの銀行が基本的にはどちらかを採用していて、店舗ごとの表彰制度の大きな項目の一つになっていますよね。
「平残の目標は、前期の平残からいくら平残を伸ばせたのか。」
「末残の目標は、前期の末残からいくら末残を伸ばせたのか。」
ということが融資のノルマとなります。
これで平残と末残のどちらがいいかっていう議論によくなるんですが、正直どっちも辛いです。
なぜどっちも辛いと言えるかと言うと私はどちらも経験しているから。
ある時期は平残である時期は末残でした。
平残を採用している銀行の人にとったら末残なんて最後がんばればいいからいいよね。
と思うかもしれませんが、そんな訳にはいかないんですよねー。
その辺りは、次章で、平残、末残のメリット、デメリットについてお伝えしますね。
平残のメリット、デメリット
平残とは、その期の平均残高になります。
メリット、デメリットについてお伝えしますね。
平残のメリット、デメリット
今回メリット、デメリットは相反の関係なので、同じ所に記しますね。
期初に大きな金額を実行すれば、楽になる。
→ 期初に大きな実行がないor大きな回収があれば達成はほぼ無理。
基本的には期初3ヶ月が勝負。
→3ヶ月経過すると達成がほぼ難しくなる。
末残のメリット、デメリット
期末、月末にがんばればなんとかなる。
→前期に同じことをやっていると首を締める。
目標の管理がしやすい。
→やってない人はモロバレ。
平残と末残はどちらがいいか
どちらも経験した私からするとどちらも辛いです。
ただ、どちらかといえばまだ平残の方がいいんじゃないかと思います。
末残で管理している銀行にいる頃は、大学時代の友人たちから、「末残なの?すげえ楽でいいね!」みたいなことを言われていましたが、末残って実はすごい辛いんですよ。
というのも私がいたところは、期末の末残も重要でしたが、毎月の末残も重要と言う銀行でした。
つまり、毎月自分が持っている融資残高をプラスにしていかないといけないということです。
ここで短絡的にどうしても目標に足りないので、「1ヶ月だけ1億借りてください」といったお願いセールスなんてしようもんならそのあとが大変になります。
なぜなら、翌月についてはその1億も含めた上でさらに月末の残高を増やさないといけないからです。
そして、最悪なのはかかり替えなどで担当が変わったら実は前任の担当者がすでにそういった資金をしていた場合、私もそれをし続けなければ残高が確実に落ちます。
そういったことをしつつ、新規の貸金を増やすのが健全なんでしょうが、それは中々厳しいんですよね。
さらに、末残の場合それぞれの担当者の残高と増加金額が数字として簡単に分かるので、数字をやっているのかやってないのかが簡単、明瞭に分かります。
一方で平残だと正直そこまで分かりません。
だって期初に実行した方が残高は大きくなるので、もし同じ実行額を頑張った二人がいて、期初に多めにした人と、期末に多めにした人では平残が全然違ってきます。
しかし、この二人末残で引き直すと実は一緒になります。
なぜなら実行額が一緒だからです。
なので平残の場合は実行額と実行タイミングが重要になるので、
正直実績が見えづらいです。
だから詰められにくいと言う観点でいえば、平残の方がいいかなと思います。
実際実行があまりできてなくて、期末に近づくとそもそも目標到達が難しくなりますので厳しく言ってもしょうがないですよね。
ただ、末残の場合は最悪最終営業日までなんとかなるのでそこまで詰められるという悲惨な状況になります。
管理や評価する側としては、末残の方が分かりやすくていいと思いますが、プレーヤー側としては、末残は本当に嫌でした。
まとめ
今回は銀行の融資の目標についてお伝えしました。
平残と末残とありますが、個人的には平残の方が個々人の達成状況が見えにくいので、いいなと思ってます。
でも、最近だとほとんどの銀行が平残を採用してますよね。
なので、末残の目標管理もあるよということだけでも覚えておいてたらいいんじゃないでしょうか。
あと余談ですが、最近フィンテックなどで銀行の将来性もやや赤信号が出ています。
融資のノルマにやきもきはしますが、銀行自体が傾くとそんな悠長なこと言ってられません。
「オレこのまま銀行にいて大丈夫かな?」
「私銀行員の仕事しかしてないけど、他の企業で働ける?」
など悩んでいて、少しでも銀行員でない将来の可能性があるのなら、ひとまず他の企業のことを知っておいた方がいいです。
おそらくフィンテックによる銀行の構造変換は私たちが考えている以上に早いはずです。
変わってしまった後で、「こんなはずじゃなかった!」ということがが一番怖いことなので、ひとまず見ておく、知っておくということが大事です。
そのためには、転職活動した方がいいんですが、銀行員の転職活動にはコツやポイントがあります。
そのあたりを記事にまとめていますので、「銀行員の転職で後悔したくない」「他の会社のことを少ししっておきたい」といった方はこちらもご覧になってください。
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